なぜ呼吸が大切なの?~自然な呼吸と姿勢の関係性~
呼吸がうまくいかないと身体に緊張を生んでしまう。。。
では、どんな呼吸が身体をリラックスさせて、自然な状態に導いてくれるのでしょう。
その鍵となるのが「横隔膜」と言われています。
横隔膜は、肋骨の下のほうにドーム状のようについている、呼吸をするのに最も重要と言われる筋肉です。
横隔膜は息を吸うとき(吸気)下がり、息を吐くとき(呼気)上がります。
横隔膜が下がるとき、横隔膜の下にある内臓は上から下に押し下げられます。
そのときに内臓を下から支えている骨盤底筋群が上に内臓を押し返すことで、お腹(腹腔)の圧力が高くなります。
この腹腔の内圧を高める呼吸は、お腹・背中を含めたお腹周りが360°膨らむような呼吸のことを言います。
ですので、一般的な‟お腹を膨らませる呼吸”とは少し異なってきます。
その腹部の圧力(腹圧)が体幹部を支えて、身体の安定性を維持するのに役立つと言われています。
つまり、横隔膜に動きがあるとき、身体が自然と安定してくる、つまり、正しい姿勢になるということです。
一方で、この横隔膜が動きが悪いと呼吸が身体の不安定さと緊張を生み出してしまいます。
横隔膜の動きが悪くなってしまう理由の一つには背骨の固さがあげられます。
背骨が固く緊張している状態だと、背骨についている肋骨の動きも悪く固くなってしまいます。
例えば、胸を張った(肋骨が飛び出した)姿勢は、肋骨が常に広がって固定している状態になります。
こうした状態は、肋骨と背骨に付着している横隔膜の動きも、同じように悪くなってしまいます。
特に、固まった肋骨は、横隔膜の下方への動きを制限するため、横隔膜が下に下がらなくなるそうです。
そのため、腹腔内圧が上がらず、骨盤底筋群も動かなくなります。
腹圧が上がらないため、これが身体の不安定さを生み出してしまいます。
これが、緊張の多い姿勢(姿勢の悪い状態)になってしまう理由の一つです。
もう一つは、横隔膜の過緊張です。
過剰なストレスは、アドレナリンなどのホルモンが分泌され、交感神経が優位になります。
交感神経が優位な状態が続くと、身体の緊張が高まり浅い呼吸が続きます。
この状態は「吐く」こと、つまり、副交感神経優位の状態を作ることが難しくなり、本来であれば吐き出すことができていた二酸化炭素が身体に多く残るようになってしまいます。
酸素と二酸化炭素のバランスを取るために、より多くの酸素を取り入れようとする結果、首や肩周りの筋肉を使った呼吸をするようになり、横隔膜を使った呼吸が十分にできなくなってしまいます。
ストレスの多い生活を送っている現代人は、呼吸で動くべき横隔膜がほとんど動いていないと言われており、これが身体の緊張を生んでしまう理由になってきます。
姿勢を良くしよう!よくしたい!と思ったら、まずは横隔膜を動かすために身体の緊張をほどくことからはじめてみることをおすすめします。
いつもよりゆっくり呼吸をして、息を吐ききること、そして、姿勢をそらさずに呼吸をしていくことが、緊張をリセットするために効果的と言われています。
これが身体の緊張をほぐし、呼吸で横隔膜を動かすことにつながっていきます。
横隔膜が動いてくるとそれに連動して、肋骨や背骨も柔らかくなってきます。
そして、お腹周りが360°膨らむような腹圧を高める呼吸を意識してみてくださいね。
横隔膜が動く呼吸がいわゆる「自然な呼吸」
そんな呼吸によって、姿勢も自然と整ってくるはずです^_^
おはる