ピラティスを学ぶ理由。ヨガインストラクターからピラティスインストラクターへ。
人間は、視覚優位の生き物である。
だから、アーサナ(ポーズ)があるヨガは、
それが、ヨガの指標となりやすい。
アーサナでの静の時間の中で、
自分が何を感じているのか、
心はどう動いているのかを内観する。
アーサナを通して、自分自身を知り、心を落ち着かせ、
人生のパフォーマンスの向上を目指していくのが、
ヨガと言われている。
しかし、アーサナという完成形を脳にインプットしてしまった以上、
そのポーズに入りたくなってしまうのが、人間である。
人間は、目標が抽象的すぎたり、壮大すぎたりすると、
適切に行動しにくいと言われている。
人間の脳は、達成感という報酬を得るとうれしいようにできているため、
具体的で手に届きそうな目標があると頑張れるそうだ。
アーサナができるようになるとうれしい。
だから、アーサナができるようになりたい。
そう思ってしまうのは、そのためだといえるだろう。
でも、その思いが先走ると、
自分の心と身体の健康のために行っているはずのヨガで、
自分自身を痛めてしまうことになりかねない。
ヨガをやったことがある人はわかるかと思うけれど、
ヨガは大きな関節を動かしていく。
そして、ポーズにとどまり、静の時間を味わう。
だから、体の使い方が間違っていたり、
関節を支える筋力がないと、怪我をするリスクが高まる。
また、一見、ポーズができているように見えても、
それがインナー優位かアウター優位かで、
身体への負担は変わってきてしまう。
建物で表現すると、
インナーは、地盤と柱(軸)、アウターは、壁と想像してみるとわかりやすいかな?
地盤と柱がしっかりしていれば、地震や台風が来た時も立っていられるけれど、
壁はしっかりしているけれど、地盤と柱が丈夫でなければ、
建物はすぐに壊れてしまう。
人間も同じで、軸がない状態で、外側から固めていると
いつか身体を壊してしまう。
ヨガのポーズも教えられるようになりたいけれど
まずは、人間が生きる上で一番大切な
身体の正しい使い方を指導できるようになりたい、と思うようになった。
そして、そうすることで、本来のヨガの良さを楽しめる人が増えるとも思った。
それができるのが、ピラティスだと、
ピラティスをやっていく中で感じるようになり、
ピラティスを学ぶことを決心した。